虚と実のはざま

 

米山悦朗写真展

 

フォトショップを手に入れデジタル写真の加工を始めてから約25年、その間試行錯誤を繰り返し自分なりの創作作品を発表してきた。  一方、2015年から定期的に岡谷蚕糸博物館で絹に関連した養蚕から織物までの仕事をドキュメンタリー作品として取材発表している。

いわば虚の世界と実の世界を並行して、制作・発表して来たわけである。

2023年に”VARIATION”というタイトルで創作作品を発表させていただいたが、今回は究極の虚と実の作品と、その中間いわば実画像と実在しない画像が混在する作品を発表した。

究極の実画像としては、カメラのレンズを通さずスキャナーを使って対象である花と野菜をコピーした作品と、究極の虚像として私の撮影した紅葉をAIを使って抽象画風に変換した作品、およびその中間としてフォトショップを使って全部あるいは一部を創作した作品を今回展示した。

この間最も留意した点は、あくまでも素材は自分の撮影した画像を使うこと、デジタル加工は単なる技術であり、これを駆使して自分をどこまで芸術的に表現するかということである。

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