米山悦朗写展 ―鎌倉友禅―
日本三大友禅の一つとして、京・加賀に並んで数えられる東京友禅から派生した手描友禅である。
坂井教人さんは長らく東京友禅作家として活動してきたが、昭和63年に東京から鎌倉に工房を移したことによりまた新たな友禅の創作活動を行ってきた。
その特徴は"鎌倉"に合う色を模索した結果"墨"に行きついたものであり、色ではなく墨を使うことによって素朴で気品のある意匠の作品を制作するところにある。
同氏は、日本伝統工芸染織展において都教育委員会賞をはじめ工芸会賞、経済新聞社賞を受賞し、その他のコンクールにおいても数々の賞を受賞してその地位を確立され、その技術は娘の三智子さんに引き継がれて、現在迄お二人で制作活動を続けてきている。
尚、坂井教人さんは本年5月7日に逝去された、享年90歳、合掌。